遺言相続よくあるご質問
こちらでは遺言や相続において、よくあるご質問についてまとめました。ご自身に近い内容もあるかと思います。ご覧になり、参考にしてみてください。
- 遺言とは何ですか。
- なぜ遺言を作成した方がいいのでしょうか。
- 親が高齢になってきました。親に遺言を勧めた方がいいでしょうか。
- まだ若いですが、遺言は必要ですか。
- 遺言の作り直しはできますか。
- 遺言の種類は何がありますか。
- 自筆証書遺言とは何ですか。
- 自筆遺言の書き方を教えてください。
- 自筆証書遺言のメリットとデメリットを教えてください。
- 自宅から自筆遺言が見つかったらどうすればいいですか。検認とはなんですか。
- 自筆証書遺言書保管制度について教えてください。
- 公正証書遺言とは何ですか。
- 公正証書遺言を作成する際の費用はどのくらいかかりますか。
- 亡くなった人について、公正証書遺言が作成されているかどうか調べることが出来ますか。
- 公正証書遺言のメリットとデメリットを教えてください。
- 公正証書遺言を作成する場合にも弁護士に依頼するメリットはありますか。
- 遺言執行者とは何ですか。
- 遺留分とは何ですか。
- 遺言の作成について弁護士に相談をしたいのですが、何か準備するものはありますか。
- 相談してから遺言が出来るまでの流れを教えてください。
遺言とは何ですか。
遺言とは、被相続人となる者が、相続について自分自身の意思を反映させることができる唯一の手続きになります。遺言は、法律の定めに従った方式で作成しなければ効力がありません。
なぜ遺言を作成した方がいいのでしょうか。
遺言がない場合には、相続人が遺産分割協議をしなければなりません。しかしながら、相続人ごとに被相続人とのかかわり方というのは異なります。被相続人が亡くなる直前まで一緒に住んで面倒を看ていた相続人もいれば、まったくかかわってこなかった相続人もいます。一緒に住んでいた相続人からすれば、面倒を看ていたのだから多くの遺産が欲しいと思うことがあるでしょうし、逆にかかわってこなかった相続人からすれば、一緒に住んでいた相続人が被相続人の生前に多くの財産をもらっているのではないか、勝手に費消したのではないかといった疑いを持つこともあります。立場が違えば考え方も変わりますので、こういった考え方が違う人同士で協議をして遺産分割をすることは難しいケースが多くあります。
また、たとえ相続人同士で連携が取れていたとしても相続人同士が一同に会して遺産分割協議をすることが難しいこともあります。例えば、相続人の誰かが海外に移住しているようなケースでは、例え遺産分割協議の内容で紛争にならなかったとしても、遺産分割協議書自体を作成するのにかなりの手間がかかってしまいます。
そのため、遺言を作成しておくことで、相続人同士の紛争を予防できるだけでなく、相続手続き自体を簡単にするという効果が期待できます。
また、遺言を作ることで、遺言者の意思、例えば特定の相続人に多く相続させたいといった希望や相続人ではない第三者に遺産をあげたいといった希望を叶えることができます。
親が高齢になってきました。親に遺言を勧めた方がいいでしょうか。
はい。遺言を作成しておくことで、相続人同士の紛争を予防できるだけでなく、相続手続き自体を簡単にするという効果が期待できますので、遺言がある方がメリットが多いと思います。
特に、ご自身の兄弟と仲が悪い、連絡をとっていない、自分だけ親と同居しているといったケースでは、遺産分割協議の際に揉めてしまうことが多くありますので、作成を勧めるべきです。
また、現在は兄弟の仲が良かったとしても、遺産分割協議をする際に仲が悪化してしまうことがありますので、いずれにせよ遺言を作成しておくに越したことはありません。
まだ若いですが、遺言は必要ですか。
遺言の効果がでるのは、亡くなってからなので、若い人にとっては、まだ遺言は早いのではないかと思う人もいると思います。しかしながら、突然の不幸が起こることがありますので、ご家族がおられる方でしたら、作成するのに早すぎるということはありません。
逆に遅くなりすぎてしまうと、認知症などで遺言を作成する能力がなくなってしまうこともありますし、例え遺言を作成する能力があったとしても、遺言能力があったのか疑義をもたれてしまうと、それ自体が相続人間の紛争になることもあります。
そのため、早く作成したほうがよいでしょう。
遺言の作り直しはできますか。
はい。いつでも作り直すことが出来ます。
遺言は、遺言の方式に従って、撤回して作り直すことも出来ますし、撤回せずに複数の遺言を残すことも出来ます。複数の遺言が存在し、ある遺言の内容が他の遺言の内容に抵触するような場合は、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされるため、結果的に後の遺言が有効とされます。
遺言の種類は何がありますか。
遺言作成の代表的な方式としては,自筆証書遺言・秘密証書遺言・公正証書遺言があります。尚、秘密証書遺言というのは、ほとんど利用されておりません。
自筆証書遺言とは何ですか。
自筆証書遺言とは,遺言者が,作成した遺言書の全文,日付及び氏名を自書し,これに押印することによって作成するという方式の遺言です(民法968条1項)。
自筆遺言の書き方を教えてください。
自筆遺言は次の要件を守って書かなければなりません。
①遺言書の全文、遺言の作成日付及び遺言者の氏名を必ず遺言者が自書して、押印が必要になります。
②例外的に財産目録は、自書ではなく、パソコンを利用したり、登記事項証明書や通帳のコピーを添付することでもよいとされています。ただし、その場合には、その目録のすべてのページに遺言者本人が署名押印する必要があります。
③訂正をする場合や追加する場合には、その場所がわかるように示したうえで、訂正または使いした旨を付記して署名し、訂正または追加した場所に押印をする必要があります。
民法第968条 自筆証書によって遺言をするには,遺言者が,その全文,日付及び氏名を自書し,これに印を押さなければならない。
- 2 前項の規定にかかわらず,自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第978条第1項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には,その目録については、自書することを要しない。この場合において,遺言者は,その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。
- 3 自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は,遺言者が,その場所を指示し,これを変更した旨を付記して特にこれに署名し,かつ,その変更の場所に印を押さなければ,その効力を生じない。
上記の要件だけでなく、書いた内容によっては意味をなさない場合などもありますので、ご相談ください。
自筆証書遺言のメリットとデメリットを教えてください。
自筆証書遺言のメリットは、自分一人で作成することが出来ることです。
自分一人で作成することが出来ますので、自由にいつでも作成することが出来ますし、遺言内容を変えたいと思った際には、いつでも修正することも出来ます。
一方で、自筆証書遺言のデメリットは多くあります。
まず、法律で自筆証書遺言の要件が厳格に決まっていますので、これを守らなければ無効となってしまうことです。例えば、財産目録以外は手書きでなければならないとか、日付、署名、捺印が求められているなどの要件が定まっております。
次に、基本的に、自筆証書遺言は自分で保管することになりますので、紛失してしまうこともありますし、死後に見つけてもらえないこともあります。また、利害関係人から、変造、偽造、破棄されてしまうおそれもあります。さらに、遺言者がなくなった際には、家庭裁判所で検認を受ける必要があります。尚、現在では自筆証書遺言書保管制度がありますので、これを利用することで多くのデメリットが解消されますが、この制度を利用するための要件があったり、費用がかかることになります。
次に、自筆証書遺言は、自分一人で作成することが出来ることから、遺言者の遺言能力があったのかどうかについて後に紛争になってしまうことがあります。
自宅から自筆遺言が見つかったらどうすればいいですか。検認とはなんですか。
遺言書の保管者又はこれを発見した相続人は,遺言者の死亡を知った後,遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して,その「検認」を請求しなければなりません。
「検認」とは,相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして,遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。
自筆証書遺言書保管制度について教えてください。
法務局において、自筆遺言を保管・管理してもらう制度のことです。せっかく自筆遺言を作成したとしても、紛失してしまうことや、利害関係者から破棄、隠匿、改ざん等をされてしまう可能性がありましたが、この制度を利用することで、これらの心配がなくなります。この制度を利用すれば、検認の手続きは不要となります。
ただし、この制度を利用することが出来る自筆遺言というのは、民法で定められている要件以外にも、使用する用紙や余白の定めなど細かい規定がありますので、詳しくは法務局にお問い合わせください。
また、この制度を利用したとしても、法務局は遺言書の形式のチェックをするだけで、内容のチェックまではしませんので、いずれにしても弁護士にご相談ください。
公正証書遺言とは何ですか。
公正証書遺言とは、遺言者が公証人へ口頭で遺言の内容を伝え、その内容に基づき公証人が遺言書を作成する方式の遺言です。
公正証書遺言を作成する際の費用はどのくらいかかりますか。
公正証書遺言を作成する際の公証人の費用は、各相続人・各受遺者ごとに、相続させ又は遺贈する財産の価額により目的価額を算出し、その目的価格に対応するそれぞれの手数料を算定し、その合計額にその他の手数料を加えた金額になります。
目的価格に対応する手数料は、次の通りです。
- 100万円以下 5000円
- 100万円を超え200万円以下 7000円
- 200万円を超え500万円以下 11000円
- 500万円を超え1000万円以下 17000円
- 1000万円を超え3000万円以下 23000円
- 3000万円を超え5000万円以下 29000円
- 5000万円を超え1億円以下 43000円
- 1億円を超え3億円以下 4万3000円に超過額5000万円までごとに1万3000円を加算した額
- 3億円を超え10億円以下 9万5000円に超過額5000万円までごとに1万1000円を加算した額
- 10億円を超える場合 24万9000円に超過額5000万円までごとに8000円を加算した額
詳しくは、公証役場にお問い合わせください。
亡くなった人について、公正証書遺言が作成されているかどうか調べることが出来ますか。
平成成元年以降に作成された公正証書遺言であれば、日本公証人連合会において、公正証書遺言を作成した公証役場名、公証人名、遺言者名、作成年月日等をコンピューターで管理していますので、お近くの公証役場で、すぐに調べることができます。
なお、秘密保持のため、相続人等利害関係人のみが公証役場の公証人を通じて照会を依頼することができることになっていますので、亡くなった方が死亡したという事実の記載があり、かつ、亡くなった方との利害関係を証明できる記載のある戸籍謄本と、ご自身の身分を証明するものをご持参ください。
公正証書遺言のメリットとデメリットを教えてください。
公正証書遺言のメリットは多くあります。
まず、公証人が作成するものですので、要件不備による無効ということがありませんし、文言についても問題ないような形で作成されます。
次に、公正証書遺言の原本は、公証役場で保管されますので、紛失することや利害関係人が変造、偽造、破棄することがありません。
次に、公正証書遺言は、公証人が作成するため、遺言者自身で書かなくてよいことから、自筆することが出来ない人でも利用することが出来ます。
また、家庭裁判所の検認を受ける必要がありませんので、すぐに遺産相続を開始できます。
その他にも、メリットが多い方式の遺言になります。
このようにメリットが多い方式のものになりますので、弁護士に遺言の作成を依頼して頂いた多くの場合には、この公正証書遺言を選択することになります。
一方、公正証書遺言のデメリットですが、公証人に作成してもらうため、事前に公証人と内容の打ち合わせを行い、それぞれの都合を合わせて作成されることになりますので、作成するまでに時間を要してしまうことがあげられます。また、公証人への手数料が必要ですので、それもデメリットとしてあげられます。さらに、利害関係のない証人2人を確保しなければなりませんので、それもデメリットといえますが、弁護士に依頼した場合には、弁護士が証人を用意いたしますので、この点は問題なくなります。
公正証書遺言を作成する場合にも弁護士に依頼するメリットはありますか。
公正証書遺言を作成する場合、公証人が形式や内容を確認しますので、自筆証書遺言を作成するよりもよりよい方法ではあります。しかしながら、どういった内容にするべきなのかもわからないような場合には、公正証書を作成する以前に確定しなければなりません。その場合には、弁護士に依頼することで、その方の家族関係や状況にあわせた遺言内容を一から相談して決めていくことが出来ます。また、弁護士を遺言執行者に指定することで、スムーズに遺言執行をすることや、遺言内容で遺言者の死後に相続人でトラブルになった際には、状況をよく知っている弁護士が解決に向けて代理人になることができます。
たしかに費用はかかりますが、弁護士に依頼することはそれだけのメリットがありますので、まずは一度ご相談ください。
遺言執行者とは何ですか。
遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために必要な手続きをする人のことを言います。例えば、相続財産目録を作成し、各金融機関での預金解約手続き、法務局での不動産名義変更手続きなど、遺言の内容を実現するために必要な一切の行為をする権限を持ちます。
そのため、遺言において、遺言執行者を定めておいた方が、円滑に相続手続きを進めることが出来ます。
遺留分とは何ですか。
遺留分というのは、相続人の中で一定範囲の人たちに一定の相続財産の取り分を保障するという制度のことです。
遺言は、遺言者が自由に決められますので、特定の人にすべての財産を相続させるような内容の遺言をつくることが出来ます。しかしながら、そうなりますと、相続人には一切の財産も与えられないことになってしまい、相続人の生活が害されてしまうことがあります。そのため、民法では、被相続人の兄弟姉妹以外の相続人に対して、遺留分を認め、一定の相続財産の取り分を保障しています。
具体的には、配偶者と子供については、それぞれ法定相続分の2分の1が、父母については法定相続分の3分の1が遺留分として認められています。
この遺留分を侵害されている場合には、遺留分侵害額請求をすることで、一定の財産を得ることが出来ます。
そのため、遺言を作成するにあたっても、将来の相続人間の紛争を防止するためには、この遺留分を念頭に置く必要があります。
遺言の作成について弁護士に相談をしたいのですが、何か準備するものはありますか。
ご相談いただく段階では、特段準備するものはありませんが、ご依頼いただく場合には、印鑑と身分証明書をご用意ください。また、相続人が誰になるのか特定をしなければいけませんので、親族関係図をご用意頂いたり、相続財産の目録をご用意して頂いておりますとスムーズに相談いただけます。
相談してから遺言が出来るまでの流れを教えてください。
まず、当事務所でご相談頂き、弁護士がどのような遺言にしたいのか、家族構成や状況などをお聞き取りさせていただきます。相談いただいた内容をもとに、どのような遺言にするのが適しているのかなどを判断し、弁護士が遺言の文案を作成し、ご依頼者様に確認をして頂きます。その後、その文案をもとに弁護士が公証人と打ち合わせをし、遺言内容の確認、必要書類の確認及び公証人費用の見積もりを出してもらいます。それとともに、公正証書を作成する日程を調整いたします。そして、公証役場で作成することになります。
このような流れになりますので、必要書類の取得や当事者の予定の空き状況次第によって変わりますが、ご相談いただいてから1カ月程度で遺言の作成をすることが出来ます。