相続のトラブルについて
相続のトラブル、起きない方が良いに決まっています。それでも、大小のトラブルは起きてしまうことがあります。どのようなケースがあるか知って頂き、「そうならないように一緒に考える」ということを目的に、こちらで情報を提供しています。
遺言書がないケースでのトラブル
遺言書がない場合には、相続人間で話し合いをして、相続財産等の処分について決める必要があります。
しかしながら、相続人によって被相続人と生前の関わり方が違い、特に相続人の一部が被相続人と同居をして面倒を看ていたようなケースで、トラブルが起きることがあります。というのも、同居をしていない相続人からすれば、同居をしていた相続人が被相続人から生前贈与を受けていたのではないか、または勝手に被相続人の財産を費消していたのではないかという疑いを持つことがありますし、同居をしている相続人からすれば、同居をしていない相続人は、何も被相続人の面倒を看ていなかったのであるから、平等に相続をするのはおかしいといった考えをもつことがあります。そういった両者の考えがある場合には、相続の話し合いというのはなかなかうまくいきません。遺言書がなかったため、相続人間での遺産分割協議が整わず、10年以上も解決に時間を費やしているケースもあります。
こういったことを防ぐためにも、あらかじめ遺言書を作成し、どのように相続財産等を相続させるのか決めた方がトラブルを防止することができます。
遺言書があるケースでのトラブル
遺言書を作成したとしてもトラブルが起こることがあります。
自筆遺言は、形式が整っていなければ無効とされ、例えば、日付が特定されていない場合、印鑑が押されていない場合、ワープロで本文を作成した場合など無効にされる場合があります。また、作成は遺言者一人ででき、その時の状態をみている人がいなくても作成できることから、その時に遺言能力があったのかどうかについても争いになる場合もありますし、基本的には自分で遺言書を保管することから、作成後の偽造・変造の疑いがある場合にも争いになるケースもあります。さらに、相続人が遺言書を見つけられないこともありますし、たまたま見つけたとしても、その相続人が故意的に廃棄してしまう危険性もあります。そのため、自筆遺言を作成したからと言ってトラブルをすべて防げるわけではありません。尚、法律の改正によって、法務省の自筆遺言の保管制度が出来ましたので、これを利用すれば保管についてトラブルは防げることが多くなりますが、あくまでも保管をしてもらえるだけで内容のチェックはされませんので、すべてのトラブルを防ぐことはできないと思われます。
また、公正証書遺言を作成した場合でもトラブルになるケースがあります。例えば、遺言の内容からして他の相続人の遺留分を侵害していると思われるケースでは、その相続人から遺留分侵害額請求訴訟をされる場合があります。また、公証人が確認しているとはいえ、遺言能力の争いになるケースもあります。
その他にもトラブルになるケースは多くありますので、遺言を作成したからと言って安心とは言えません。相続問題に詳しい専門家に依頼し、その上で遺言書を作成するべきです。